学生がブランド品を持つことは「相応しいかどうか」という単純な問題ではなく、社会的背景・経済状況・文化的価値観を織り交ぜたうえで、多面的に考えたいテーマです。
若者の消費傾向とブランド離れ
近年の研究では、若者の消費は「車離れ」「旅行離れ」と同様にブランド離れも進んでいると指摘されています。
一方で、ファッションや日常的な消費には関心が高く、高級ブランドよりもファストファッションや手頃なブランドに人気が移っている傾向があります。
学生のブランド意識
大学生はブランド品に対して「品質の良さ」「信頼性」を肯定的に捉える傾向があり、特に女子学生はバッグやアクセサリーなどに強い関心を示しています。
人気ブランドとしては、女子学生ではティファニーやグッチ、男子学生ではロレックスやオメガが挙げられています。
ブランド志向は「周囲の友人が持っている」「ファッションに自信がある」などの社会的要因によって強まることも確認されています。
社会的議論のポイント
肯定的視点
ブランド品は「大人社会への憧れ」や「自己表現の手段」として学生にとって意味がある。
品質や耐久性を重視すれば、長期的な投資として合理的。
否定的視点
今の学生にとって「ブランド」とは必ずしも高級品を意味せず、ユニクロやナイキのような身近なブランドも“ブランド”として認識されています。
経済的に無理をして購入することは生活に負担を与える。
学生らしさや等身大のファッションとのギャップが「背伸び」と見られる可能性。
消費の格差が「持つ／持たない」で学生間の社会的分断を生む懸念。
現代的な見方
つまり「ブランド品＝贅沢」という従来のイメージは薄れ、差別化や自己表現の象徴としてブランドが機能しているのです。
まとめると、学生がブランド品を持つことは「背伸び」か「自己表現」かという二項対立ではなく、社会的背景や個人の価値観によって多様に解釈されます。 議論の焦点は「経済的負担」と「文化的意味」のバランスにあると言えるでしょう。